大気圧プラズマ技術は、プラスチックの表面処理とその後の加工に最適な手段です。的を絞った表面改質により、接着・印刷・塗装・シーリング等の工程を大幅に改善します。Fakuma 2023では、この分野の世界的マーケットリーダーであるPlasmatreat GmbHが環境に優しく効率的な本技術の効果を実証します(展示ホールA1、ブース番号1210)。
プラズマトリートのブースでは、共同プロジェクトによるプリント基板の前処理およびオーバーモールド射出成形の実演が見られます(第一段階:Openair-Plasma®で電子部品に穏やかな超微細洗浄をフルオートで実施、第二段階:特殊なPlasmaPlus®処理で電子部品に接着促進層を塗布、第三段階:射出成形機で電子部品に耐熱性熱硬化性樹脂をオーバーモールド)。プラズマ処理とプラズマコーティングがプラスチックと回路基板の確実な接着を実現し、回路基板を環境の影響から守ります。共同プロジェクトメンバー:プラズマトリート(シュタインハーゲン)、機械メーカー“ARBURG GmbH”(ロスブルグ)、工具メーカー“Siegfried Hofmann GmbH”(リヒテンフェルス)、特殊機械メーカー“Barth Mechanik GmbH”(ツィンマー・オプ・ロットヴァイル)、プラスチックサプライヤー「住友ベークライト」(日本)
コストや環境を理由にプラスチックを選択した場合に懸念されるのが、求められる接着力や印刷適性への影響です。プラズマ技術は材料変更を可能とします。的を絞った表面改質を通じて、産業アプリケーションにおける接着剤・コーティングの密着力を改善し、本来相性の悪いプラスチックの組み合わせも可能にします。例えば、高コストなエンプラから低コストな汎用プラスチックや再生材への切り替えも可能になるなど、メーカーにとっては材料の選択肢が広がるメリットがあります。プラズマトリートのOpenair-Plasma®は、Miele & Cie.KG(ドイツ、ギュータスロー)やMamur Teknoloji Sistemleri (トルコ)といった有名家電メーカーのアプリケーションにも採用されています。
プラズマ前処理は厳しい品質と仕様要件を満たすことが出来ることから、長年にわたり自動車産業に取り入れられてきました。さまざまなメーカーが前処理にプラズマトリートのプラズマ技術を利用しています。プラズマ前処理を行うことで無極性プラスチック(再生材)が次の接着工程に適した状態に整えられ、異種材料や相性の悪い材料でも強力な接着が実現します。例えば、再生材製のダッシュボードを粉体焼結成形された軟質プラスチック膜でラミネートする場合などに有効です。ダッシュボードの前処理に従来使用されてきたフレーム処理法では、接着不要箇所すべてに耐熱マスキングが必要でした。Openair-Plasma®を使用した場合、この工程は一切不要になります。自動化されたロボット技術により、プラズマノズルがミリメーターの精度で部品の形状をなぞり、選択的な処理を行います。またプラズマ処理では熱発生がほとんどないため、処理後も部品の形状を保ったまま次の加工に進むことが可能です。
プラズマトリートは革新的なフラットベッドシステムを使用して、軽量アプリケーション用ハニカムパネルなど、平板プラスチック材の表面全体を前処理する方法を実演します。専用のPTU(プラズマ処理ユニット)が各種プラスチック平板基材を効率的かつ確実に前処理します。ユニットには回転ノズルRD2010が左右に3本ずつ装備されています。汎用性を最大限に高め、セットアップタイムを最適化するため、セルには処理材の厚みに応じてノズルの高さを調整できる機能が追加されています。プラズマノズルの速度・強度をアプリケーションに合わせて正確に調整できるなど、その他パラメーターの設定もプラズマトリートの強みのひとつとなっています。この特許を取得したプロセスを行う革新的なシステムは、既存のラインに簡単に組み込むことが可能です。
さまざまな業界の企業がOpenair-Plasma®の全表面前処理を採用しています:Hymmen GmbH(ドイツ、ビーレフェルト)はガレージ扉へのカスタマイズデジタル印刷に、Schmitz Cargobull(ドイツ、ホルストマール)はトラックの外壁やターポリンに。
プラズマの効果をご自身の目でお確かめください。ご来場のお客様はプラズマトリートのブースに設置されたライブテーブルでプラズマ効果を実際に確認できます。プラズマの専門家が各種テスト方法(水スプレー、テストインク、粘着ストリップなど)を用いて、PPやPEなど処理が難しい素材についてもプラズマ処理の効果をその場で実証・可視化します。Fakuma展示ホールA1、ブース番号1210にて、皆様のご来場をお待ちしております。