Openair®プラズマによる太陽光エネルギーシステムの性能と長期効率性の改善
太陽からの放射光は、豊富なエネルギー源として利用することができます。地球表面に放射される総エネルギー量は、人類が必要とするエネルギー量の7000倍以上に達しています(出典:Volker Quaschning, Regenerative Energy Systems, Hanser Verlag, Munich)。
過去数十年間にわたり、太陽光エネルギーシステムで利用可能なソーラー技術に関する研究が活発に行われてきました。この研究では主に、太陽熱エネルギーと太陽電池の2つの方法が検討されています。
太陽光発電モジュールや集光装置など、太陽光エネルギーシステムに取り入れられた技術は、常に風化作用に曝されています。したがって、これらの構成要素については、特に湿度・温度の変動など、環境による影響から保護しなければなりません。なかでも地球上で最も日照の多い地域では、昼間と夜間の温度に大きな差が生じます。そのため、ケーブルやモジュール、コンバーターを保護し、シーリング機能を長期間確実に維持するには、厳しい要件が課せられることになります。
Openair®プラズマ処理を利用すれば、高品質の材料を製造することができます。それにより、ソーラー技術を高効率で利用するための最適条件を整えることができます:
- プラズマ活性化により、非常に信頼性が高く、防水性と長期安定性を備えた接着接合を用いて耐候性太陽電池モジュールを製造することができます(太陽電池)
- PlasmaPlus® プロセスのプラズマコーティングを利用すれば、太陽光エネルギーシステムで使用する太陽熱ミラーに、信頼性の高いガラス状の耐腐食性コーティングをほどこすことができます(太陽熱エネルギー)
- プラズマ ポリマーナノコーティング(プラズマポリマーコーティング)により、太陽光発電モジュール表面の一部に、以下のような機能特性を選択的に付加することができます
- 透過率の改善(反射の抑制)
- バイオフィルムの形成防止(苔や藻の増殖)
- 超疎水性付着防止コーティング(防汚)
太陽電池:プラズマ接合が実現する長期安定性を備えた耐候性太陽光発電モジュール
太陽電池システムは、個々の太陽電池の集合体を構成要素とする複数の太陽電池モジュール(太陽光発電モジュール)で構成されています。この太陽電池により、太陽光を電流に変換します。太陽電池には、さまざまな種類があります(単結晶/多結晶/薄膜太陽電池)。
ただし、太陽電池の耐用年数と効率性に関する品質面には、各製造業者のモジュールごとに大きな差があります。その原因は、製造プロセスと使用する材料の品質の違いにあります。
太陽電池モジュールが風化プロセスによる損傷を受けることも珍しいことではありません。水分の浸透(水分拡散)により、太陽電池の性能は急速に低下します。
これを回避するため、プラズマノズルは、新規/既存の製造ラインに簡単に組み入れることができます。このシステムは、高いプロセス信頼性、短いサイクル時間、高速処理を特徴としています。
パラボラトラフ型太陽光ミラーは、作動中に厳しい環境条件に曝されます。そのため、太陽光ミラーには保護コーティングを施す必要があります。一方、太陽光エネルギー発電所全体の効率性は、太陽光ミラーの精度と反射光の集光能力によって左右されます。従来型のポリマー耐腐食性コーティングの場合、上記の効果が低下し、それにより効率性が低下します。 PlasmaPlus®プロセスによるプラズマコーティングを利用すれば、ほぼ無機質のガラス状コーティング材料を用いた表面全体へのナノコーティングは、高温でも長期安定性を備えた防食処理を確実に施すことができるため、上記のような問題は生じません。
Openair®プラズマを利用すれば、大気圧条件下において、以下の2種類の高効率ソリューションを実現することができます。
1.機能性プロセスガスを用いた太陽電池のプラズマ活性化
- ウェハーの選択的エッチング効果による制御下での物質の除去
- 還元プラズマを用いた酸化物の除去(脱酸素)
2.Openair-Plasma®を用いたプラズマポリマーコーティング
- 太陽光発電モジュールのインラインコーティングに関する新たな可能性
- プラズマポリマーコーティングを利用すれば、モジュール表面の選択した領域に機能化処理(機能性コーティング)を施すことができます。したがって、以下の実現が可能です。
- 透過率の改善(反射の抑制)
- 光触媒によるバイオフィルムの形成防止
- 表面に超疎水性を付加
- 汚れの付着を防止