航空機製造におけるOpenair-Plasma®での表面処理メリット:
- プラズマ前処理により、CFRPコンポーネントの安定性を改善
- Openair-Plasma® により、二次接合・塗装作業における信頼性の高い高品質加工を実現。
- Openair-Plasma® により、大型コンポーネントに対する選択的なロボット誘導型プラズマ前処理を初めて実現。
この材料が初めて工業用途に使用されたのは、2007年のことです。この年、ボーイング社は同社のB787ドリームライナー航空機にCFRPを採用しました。それ以降、CFRPの強化がさらに進み、現在では、例えばエアバスA350WXBを構成する材料の40%以上がCFRP材料となっています。
プラズマポリマーコーティングによる長期間安定する防食処理:有毒性のCr6プライマーを使用せず、環境に配慮
航空機製造では従来、最適な耐腐食性を確保するため、六価クロム(Cr6)を含有するプライマーシステムを使用してきました。大気圧プラズマによる処理は、最長30年間の長期にわたり、耐腐食性を保証しています。
PasmaPlus® プロセスは、有毒性の高いCr6プライマーに代わり、プラズマポリマーコーティングを利用した、スポット処理が可能な乾式化学プラズマコーティング技術です。極めて均質な超微細プラズマコーティングとプラズマエネルギーを組み合わせることにより表面張力を高めることが可能になります。塗装に最も適した処理表面を作り出すとともに、長期間にわたり安定した接着結合に優れた特性を発揮します。
Auroraプラズマ技術で塗装または接合前に炭素繊維複合部品を洗浄
Auroraプラズマ技術の活用例として、タービン金属ハブと構造接合する前に行う炭素繊維タービンブレードの前処理が挙げられます。この前処理によってこれらの材料を組み合わせられることにより、軽量かつ静かなタービンエンジンの製造が可能になります。
低圧プラズマ技術Auroraを活用したプロセスの明確な利点は、プラズマが隙間や溝に浸透し、複雑な形状であっても全面を処理できることです。すべての処理ステップを、順序・強度・配合の面で具体的に定義でき、処理サイクル中、イオン化可能な機能性ガスと液体が 低圧チャンバー内で処理されるシンプルかつ再現性が高い方法です。
ハイテク複合材の離型技術の飛躍的進歩:Openair-Plasma®とPlasmaPlus®による離型剤のカット
現在の長距離航空機は、複合材と呼ばれる強化プラスチックを原料とする、全く新しい材料組み合わせて製造が行われています。この観点でいうと、特に炭素繊維(CFRP)とガラス繊維(GFRP)の繊維強化プラスチックが、実質的に金属構造よりも安定しています。
主に面積の大きい部品は、オートクレーブ内でいわゆる「プリプレグ」の層構造として製造されますが、簡単に離型できるよう、金型自体への接着に対処が必要になります。このようなケースには、Frekote®などの溶剤系離型剤がよく用いられますが、離型後には、部品表面に離型剤が残留するため、さらなる加工とが難しくなります。残留した離型剤を複雑な手作業で除去しなければならないという短所があります。
プラズマ離型コーティングの長所:
- 煩雑な手作業による洗浄が不要。よって、サイクル時間が増加
- 金型や部品が汚染されない
- 溶剤系離型剤やクリーナーを使用しないため、揮発性有機化合物(VOC)削減に貢献
- 均質な表面品質・構造の向上
ケブラー、グラスファイバー、カーボン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)へのプラズマ前処理を導入したプリプレグ製造
プリプレグ材料(予備含浸繊維)は、予備含浸繊維の半製品で、繊維強化部品の製造に使用されています。圧力と温度をかけることで、複数層のプリプレグが同時に溶融されます。部品完成後の安定性には、プリプレグの配列に加え、繊維と反応樹脂の接着性が非常に重要になります。
Auroraプラズマによる繊維の前処理
繊維とマトリクス樹脂間の効果的な荷重伝達を実現するには、清浄な状態の繊維表面に樹脂を塗布する必要があります。そこで、Auroraプラズマを用いて繊維組織を前処理することにより、最適な浸透能力が得られます。