幅広処理を深い効果で ‐染色前の布地・不織布のグロープラズマ前処理
プラズマトリート社は、片面のみを対象とするノズル技術に代わる技術として、グロープラズマを開発しました。このプロセスでは、棒状放電装置に独自の電気的設計を施し、それにプラズマエネルギーを組み合わせています。均一のグロープラズマには幅広処理が可能な設計であるため、処理を施す布地の隙間に深く浸透し、そのレベルで微小放電を生じます。この独自のプラズマ処理により、布地の親水性を高め、その後の工程(染色、印刷、布地仕上げなど)における材料の水性加工による濡れ性を高めます。
プラズマトリート社のパイロット工場には、最大幅300 mmの処理、最高速度400 m/分での加工が可能な一体型グロープラズマ付コンベアシステムなどが設置されています。
グロープラズマによる布地の親水化処理 ‐ 布地の彩色堅牢度を長期間維持
繊維・糸からフラットファブリックに至るまで、装置や可染性に関して課せられる要件はどの製品でも同じです。例えば、残留している糊は全て織物を傷つけることなく、効率的に除去しなければなりません。
グロープラズマを利用すれば、Openair-Plasma®による糸の前処理と同じように、織物を効率良く前処理することができます。 グロープラズマによる処理を施すと、織物は完全な親水性を備えるようになります(親水化処理)。すなわち表面張力が高まることによって、環境に優しい染料でも、大量に吸収することが可能となるのです。その結果、極めて耐久性に優れ、色あせしない染色が可能となります。この特性は、布地の品質を評価する際に非常に重要な要素となります。
吸収性不織布・不織布マット:グロープラズマを用いた親水化処理により、化学薬品を使用せずに優れた吸収性を実現
子供用おむつや生理用ナプキンなどに使用される工業用不織布材料や不織布マット(バッテリー酸用など)には、長期間安定性を維持する親水化仕上げを施す必要があります。一般には、表面全体に化学湿潤剤を浸透させることにより、この仕上げを行います。しかし湿潤剤が赤ちゃんの肌や体液に接触すると、炎症や肌のトラブルが生じることがあります。不織布マットの場合には、湿潤剤がバッテリー液と接触した際に悪影響を与えることがあります。
最近、グロープラズマを用いた処理により、化学湿潤剤を一切使用することなく、不織布材料を完全に親水化することに初めて成功しました。
テクニカルポリマーフィルタ:膜・フィルタエンドキャップを確実に接合し、漏洩を防止
ほとんどの工業用フィルタの製造では、不織布モノフィラメント/マルチフィラメントフィルタ材料以外は使用していません。このフィルタ材料は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどのプラスチックとポリマー含浸紙を原料としています。この材料を加工してフィルタ膜を製造した後には、必ずフィルタエンドキャップに設置してシーリング処理を施さなければなりません。しかし、この種のプラスチックは疎水性であるため、確実に接合し、漏洩を防止するのは難しい課題となってます。漏洩が生じるということは、膜に穿孔が生じていることを示唆しており、したがってフィルタ膜を使用することはできなくなります。
Openair-Plasma®を利用すれば、この問題を効率良く解決することができます。 膜・ポリマーフィルタエンドキャップをともに一体型インラインプラズマプロセスを用いて前処理した後、フィルタシーリング複合材を用いて接続します。プラズマ前処理により、ポリマーフィルタ材料の接着機能を効果的に強化し、シーリング加工中に円滑かつ確実に接合します。それにより高品質フィルタを製造することができます。