半導体・電子部品製造のプロセスに革新をもたらす「REDOXツール」

現代の電子機器製造では、小型化と高性能化の進展に伴い、金属表面の酸化膜や汚染による接合不良や品質低下が深刻な課題となっています。

REDOX (レドックス) ツールは、プラズマトリート社の大気圧プラズマ技術「Openair-Plasma®」を応用し、インラインでの酸化還元処理を実現する革新的なソリューションです。半導体やIGBT製造における、効率性と品質の向上に貢献する新たな選択肢です。

表面処理と酸化還元の重要性

パワーエレクトロニクスや半導体製造において、表面処理、とりわけ酸化物の除去は、重要な役割を果たします。
こうした電子機器部品は、家庭用電子機器から産業機械、自動車システムまで、幅広い高性能機器に使用されており、その品質は製品全体の信頼性に直結します。

金属表面の純度や清浄度を確保することは、製品の信頼性や寿命を左右する重要な要素となります。

フラックスレスのインライン酸化還元装置

  1. 電気的性能の向上
    金属表面の酸化膜は導電性を阻害し、電子機器の抵抗値増加やパフォーマンスの低下を引き起こします。酸化膜を除去することで、IGBTや半導体に求められる大電流・高電圧環境において、最適な電気的接触が確保されます。
     
  2. 接着性の向上
    酸化した表面は、後続の層や部品の接着を妨げる可能性があります。半導体製造において、強固で信頼性の高い接着が、最終製品の耐久性や性能に直結します。酸化膜を効果的に除去することで接着性が向上し、堅牢で信頼性の高い部品の製造につながります。
     
  3. 欠陥と故障の減少
    製造工程において酸化膜や汚染物質が残留していると、ボイドや層間剥離などの欠陥が発生し、その後の故障リスクが高まります。酸化膜の低減と表面の清浄化により、こうした欠陥の発生を抑制し、部品の信頼性向上と長寿命化を実現します。
     
  4. 小型化における効率性
    電子部品の小型化が進むにつれ、許容誤差はますます厳しくなっています。このため、酸化膜によるわずかな欠陥であっても、性能や信頼性に大きな影響を及ぼす可能性があります。REDOXツールは、微細な部品においても高水準での製造品質を確保し、小型化への進展をサポートします。

コンサルティングと資料

当社のOpenair-Plasma®テクノロジーが、電子機器製造プロセスをどのように最適化できるかをご紹介します。

ぜひ、パンフレットや導入事例をご覧ください。

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課題に応える先進技術

REDOXツールは、小型化、バンプピッチの縮小、フラックスの使用や残留物に関する技術的課題に対応するために設計されています。

トンネル構造内で、窒素と水素の混合ガスによる処理を行うことで、金属の酸化層のみを徹底的に洗浄・還元し、フラックスフリー接合を実現します。元の金属層には影響を与えないため、スパッタリング処理とは異なる特長を持ちます。

プロセスは、予熱、プラズマ還元、冷却の3つのゾーンで構成されており、それぞれの工程では処理条件がモニタリングされ、常に最適な状態条件が維持されます。これにより、効率的かつ信頼性の高い表面処理が可能になります。

アプリケーション

インラインでの還元処理 (酸化膜除去) 

パワーモジュール製造での事例詳細はこちら

  • 半導体:酸化膜を除去することで、接合品質、電気・熱伝導性が向上し、製品全体の品質と信頼性を向上させます。
     
  • パワーモジュール:DCB基板からダイアタッチ、ワイヤーボンディング、焼結、モールドまで、組立プロセス全体を通して高い性能と信頼性を確保します。

REDOXツールの主な特長と利点

  1. 表面品質の向上:金属表面の酸化膜や汚染物質を効果的に除去し、接着性・密着性の向上につながる清浄な表面を確保します。
     
  2. 電気的性能の向上:酸化膜の除去により、高性能部品に求められる導電性と信頼性が向上します。
     
  3. プロセス効率の向上:連続処理によりダウンタイムを短縮し、スループットと処理の安定性を向上させます。
     
  4. はんだ付け性の向上:酸化物のない清浄な表面は、はんだ濡れ性が向上し、より強固で信頼性の高い接合を実現します。
     
  5. フラックス使用の低減:フラックスの使用を最小限に抑えることで、残渣による問題を軽減し、洗浄工程の簡素化にも貢献します。
     
  6. 歩留まりの向上:欠陥や手直しの減少により、歩留まりが向上し、廃棄の削減にもつながります。
     
  7. コスト削減:効率性の向上、歩留まりの改善、消耗品の使用削減により、大幅なコスト削減に貢献します。
     
  8. 環境面でのメリット:化学薬品の使用量を減らすことで、環境負荷を軽減し、サステナブルな製造を実現します。
     
  9. 導入の簡便さ:既存の生産ラインに容易に統合でき、大規模な中断や混乱を伴うことなく、柔軟に拡張することが可能です。