付着防止コーティング ‐
これまで長年にわたり、布地に強力な疎水性仕上げを施す際には低圧プラズマプロセスが利用されていました。しかし、この加工には複雑なチャンバープロセスが必要となるため、特殊な工業用織物以外には、この種の付着防止プラズマコーティングは施されていませんでした。
Openair-Plasma®とPlasmaPlus®を利用すれば、大気条件下でプラズマコーティングを施すことができます。 それにより、例えば連続製造プロセスにおいて、インラインで付着防止コーティングを施すことが可能となります。その際、チャンバーシステムを別途使用する必要はありません。
この技術を利用すれば、多くの用途に革命をもたらすことができます。例えば、大規模クリーニング装置内で、疎水仕上げを直接行うことができるようになります。
酸化チタンを用いたプラズマコーティングによる長期安定性を備えた抗菌性布地
手術室用リンネル製品には、滅菌処理を施さなければなりません。また同時に、細菌の増殖を防止する長期持続性を備えた抗菌作用を備えた仕上げを施すことが望ましいと考えられています。現在は、酸化チタンを含有する懸濁液を用いて、この仕上げ加工を行っています。
PlasmaPlus®ナノコーティングを利用すれば、極めて効果的なインラインプロセスを用いて、プラズマプロセスに酸化チタン懸濁液を高精度で添加することにより、布地に上記のコーティングを施すことができます。 プラズマジェットは、織物表面をクリーニングすると同時に、抗菌性懸濁液のナノ層を繊維に付着させます。
このプロセスを利用すれば、長期安定性と抗菌性を備えた極めて効果的かつ経済的な機能性層を布地に付着させることができます。
天然繊維の縮みを防止 ‐ 品質改良剤を使用しないPlasmaPlus®布地コーティングの利用
天然繊維を原料とした布地の製造中に、繊維に前処理を施し、品質改良剤を使用することによって、布地表面の摩擦を抑える薄膜を繊維表面に形成します。繊維業界では、この保護膜を利用しない限り、高速製造を行うことはできません。しかし、この種の品質改良剤は、織物をクリーニングした際に天然繊維に縮みが生じる主な原因ともなっています。
Openair-Plasma®テクノロジーを利用すれば、有機シリコン繊維の前処理を迅速に行うことができます。 この独自のプラズマコーティングにより、繊維を効果的に保護し、高速製造に適した前処理を施します。
この新たなプロセスでは、化学品質改良剤を使用しません。そのため、製造した織物がクリーニングによって縮むことはありません。それにより、高品質の製品を消費者に届けることができます。
プラズマが可能にする高品質布地仕上げ材への確実なフロック加工
フロック加工とは、あらかじめ接着剤をコーティングしておいた基材に、短いモノフィラメント織物繊維を接着するプロセスのことです。この加工を施すことにより、表面に高品質のベルベットやベロアのような効果を与えることができます。一般的なフロック加工では、繊維が接着剤基盤に垂直に接着するように、静電界を用いて繊維の向きを揃えて加速します。織物基材上の接着剤基盤への接合状態が、フロック加工の品質を決定する重要な要素となります。
Openair-Plasma®を用いて織物に前処理を施すことにより、改質表面の接合機能を大幅に高めることができます。したがって、布地の仕上げ加工における加工要因として、非常に大きな効果を上げることができます。
Openair-Plasma®の価値は、自動車業界でも認められています。自動車業界では長年にわたり、Openair-Plasma®によるフロック加工プロセスの前処理が行われています(EPDM、グローブボックス、織物自体へのフロック加工など)。