PFW10およびPFW20 – さまざまな要件に対応する特殊プラズマシステム

材料に向けられたプラズマノズルは、プラズマの生成と拡散に用いられます(低温プラズマを生成)。ステーターとローターの間の高電圧の印加により、ノズル内でプラズマが発生します。発生したプラズマはキャリアガスを用いて、ノズルヘッドから照射されます。

プラズマトリート社では、特許取得済みのノズルシステムを用い、優れた効果を発揮する極めて信頼性の高い工業用表面処理のためのツールを開発しました。プラズマ源としては、シングルノズルと回転プラズマシステムのいずれも利用することができます。 

シングルノズルは、噴射口の角度が比較的小さいため、幅の狭いプロファイルの処理に適しています。回転原理を利用した回転プラズマシステムは、処理幅の大きな材料全体に均一に前処理効果をもたらすため、面積の大きな表面の処理に適しています。

Openair-Plasma®による前処理

Openair-Plasma®PFW10ノズルを利用すれば、電位を発生することなく(材料に電位を伝導することなく)、極めて高い精度で外形に沿った前処理を施すことができます。このプラズマノズルは、主に高エネルギーの高速プロセスによるプラズマ処理を部品に施す場合や、ワークピースの特定の部位(接合溝など)のみを選択的に処理する場合に使用します。Openair-Plasma®PFW10およびPFW20ノズルは、サーキットボードなど、超高感度部品のポテンシャルフリープラズマ処理にも適したツールです。

ワークピースが有する特定の特性に対する前処理プロセスの最適条件の調整

Openair-Plasma®ノズルは、用途特有のプロセスに合わせて調整することが可能です。例えば、噴射口角度の異なる各種バージョンのノズルを利用することができます。お客様の多種多様な要件を満たすための基盤として、すでに50種類以上のノズルヘッドの利用が可能となっています。

特殊設計

またオプションとして、90°ケーブルコネクタ付のPFW10・PFW20もご用意しています。この構造は、特にノズルの取付スペースが限られている(ノズルが短い)場合に適しています。

用途の例

  • プラスチック、金属、ガラスのプラズマクリーニングと活性化
  • フィルムと立体部品
  • PPヘッドライトハウジング:フルート接合溝の正確な前処理
  • ボトルのラベリング加工:インライン水性接着剤システムの利用が可能
  • EPDMプロファイル:全ての側面へのラミネート加工が可能な十重ノズル
  • アルミニウムプロファイル:酸洗浄・クロメート処理の代替法としてのノズルツールの配置
  • カートン:縦方向継ぎ目の前処理、最高輸送速度600 m/分

各種ノズルヘッド

プラズマを発生させるだけでは用途で成功を得ることはできません。そのためプラズマトリート社は、カスタマイズされたノズルヘッドの設計において多くの能力と経験を有しています。

Andreas Landeck

プロジェクトマネージャー、 産業エンジニアリング部門、MIELE Cie & Co. KG

メンテナンスが最小限で済む一方で、プロセス信頼性が最大化されます。

- Andreas Landeck, プロジェクトマネージャー、 産業エンジニアリング部門、MIELE Cie & Co. KG

特殊設計のプラズマノズル:プラスチックの小型部品を優しく処理するPFW10LT

PFW10LTプラズマノズルは、特にプラスチックの前処理と洗浄に使用されます。独自の設計により、低温(<80℃)で作動するため、特に素材に優しい処理が可能です。処理は、ノズル出口の無電位プラズマビーム、Openair-Plasma®によって行われます。プラズマはノズル内部の高電圧放電によって生成され、空気の流れによって表面に運ばれます。高電圧はすべてノズル内に残ります。Openair-Plasma® は電気的に無電位です。導電性材料も非導電性材料も同様に高い効果で処理できます。